伊勢新聞

子どもを主役に事業展開 三重県誕生150周年記念事業の骨子 県議会常任委

【記念事業の骨子について説明を受ける政策企画雇用経済観光常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は8日、政策企画雇用経済観光、防災県土整備企業、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会を開いた。政策企画部は、県誕生150周年記念事業の骨子を報告した。「三重県の未来を創造し、次の50年へ」をコンセプトとし、子どもを主役に事業を展開すると説明。150周年を迎える令和8年中は、四半期ごとに目玉イベントを開く考えを示した。

記念事業、県の未来考える取り組みに

 〈政策企画雇用経済観光=石垣智矢委員長(8人)〉

県によると、骨子は部局長らでつくる「県誕生150周年記念事業推進会議」が先月の会合で策定。記念事業の内容について検討を進め、来年度当初予算で関連費用を計上する方針。

記念事業は年間を通じて開催予定。令和8年1―3月の「オープニングプログラム」を皮切りに「コアプログラム」「夏休みプログラム」「エンディングプログラム」を展開する。

自然や食、文化、産業などの分野で県の魅力を体感したり、未来を考えたりする取り組みを想定している。市町と連携したイベントの開催や企業とのコラボ商品の販売なども予定している。

また、県は「県政150周年」としていた記念事業の名称を「県誕生150周年」に変更。一見勝之知事が推進会議の初会合で「その方が子どもたちに分かりやすい」と提案していた。

「復旧フェーズ版」概要報告 南海トラフ特化の対策方針

 〈防災県土整備企業=中瀬信之委員長(7人)〉

防災対策部は南海トラフ地震に特化した対策方針「復旧フェーズ版」の概要を報告。被災者が地域とのつながりを維持できるよう、地域単位で仮設住宅に入居する必要性などを明記した。

県によると、方針は能登半島地震の被災地で復旧支援などに当たった職員らが得た教訓や気づきを踏まえて策定。6月に「発災当初版」として、初動対応などの48項目をまとめていた。

復旧フェーズ版には、職員の不足に備えて避難所警備の民間委託を検討するよう提案。家屋の被害認定にデジタル技術を活用する必要性にも言及するなど32項目を追加した。

県は11日に予定する市町長との意見交換を経て、11月中にも方針を完成させる。方針に基づいて対策を強化し、来年度中にもまとめる南海トラフ地震の被害想定調査にも方針を反映させる。

「困難な問題抱えている」7.3% 女性支援アンケート結果

 〈医療保健子ども福祉病院=石田成生委員長(8人)〉

子ども・福祉部は女性支援に関するアンケートの結果を報告。回答した女性399人のうち7・3%(29人)が日常生活などで「困難な問題を抱えている」と回答した。

県によると、抱えている問題は「心の状態」が最多で、65・5%(19人)が回答した。ドメスティック・バイオレンス(DV)は10・3%(3人)、性被害は6・9%(2人)だった。

問題を抱える女性の58・6%(17人)が「相談したことがない」と回答。相談しない理由の最多は「解決しないと思った」で64・7%(11人)。「どこに相談して良いか分からない」の47・1%(8人)が続いた。

アンケートは6月下旬から7月上旬にかけて県民に依頼し、男女計1000人が回答した。県はアンケートの結果を分析し、DVなどの問題を抱える女性への支援に向けた基本計画に反映させる。