伊勢新聞

願い事を火にくべ 護摩供に200人 尾鷲の八鬼山荒神堂

【護摩木を火にくべて般若心経を唱える五條管長(左から2人目)=尾鷲市南浦の八鬼山荒神堂で】

【尾鷲】三重県尾鷲市南浦の熊野古道・八鬼山荒神堂で6日、護摩木を火にくべて身を清める「三宝大荒神護摩供」が営まれ、約200人(主催者発表)が参拝し、無病息災などを祈願した。

供養は地元の有志らの手で荒神堂が再建された令和元年に、八鬼山荒神堂保存会の主催で復活した。修験道の総本山、金峯山寺(奈良県)の五條良知管長(60)を招き、毎年秋に営んでいる。

五條管長と山伏4人が丸太を組んだ護摩壇を囲んで点火。般若心経を唱えながら、願いごとが記された約1100本の護摩木を火の中に投げ入れた。参拝者らは頭を下げ、静かに手を合わせた。

護摩木を燃やし終えると、五條管長が「この信仰の地を貫くのが祈りの道。またここへ来て手を合わせてもらえれば」とあいさつ。この後、参拝者らが堂のお札やお守りをいただいていた。

夫婦で参拝に訪れた愛知県大治町の今村憲司さん(59)は「2、3年前に伊勢路を歩いた時に知って初めて参加した。来年は60歳で本厄になるので、厄払いにちょうど良かった」と話した。