「脱炭素先行地域」に度会など6町 三重県内初 環境省選定 木質バイオや廃棄物発電

【「脱炭素先行地域」に選ばれた6町の町長と関係者ら=度会町役場で】

【度会郡】三重県の度会、多気、明和、大台、大紀、紀北の6町は4日、度会町役場で町長らが記者会見し、脱炭素化に取り組む環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれたと発表した。県内での選定は初めて。

6町は令和3年に「ゼロカーボンシティ」を共同宣言するなど連携基盤が整っていることから、環境省が公募する「第5回脱炭素先行地域」に、度会、多気両町を中心とした6町と企業12社が共同で計画を提案。6町が地域新電力会社を設立し、ノウハウや体制の共有などを地域連携で行い、効率的な脱炭素化と地域課題解決に取り組む。

計画期間は令和6―11年度。同先行地域に選ばれたことにより、計画を進めるにあたり、総事業費約50億円(環境省の査定中)のうち3分の2を国が補助する。小規模な自治体が連携して地域課題を解決しつつ、脱炭素を同時に実現する点などが評価されたという。

今後は、「度会町中心エリア」に木質バイオマス発電設備を、「多気町の商業リゾート施設VISON(ヴィソン)周辺エリア」には廃棄物発電設備を、それぞれ太陽光発電とともに導入する。

6町から未利用材や廃棄食材などを集めて活用し、脱炭素と資源循環を促進する。発電した電力は地元で小売りする。電気自動車を活用した広域周遊観光などにも取り組む。

度会町の中村忠彦町長は「やっとスタートラインに立ったところでこれからが正念場。各町長の協力と企業の支援をお願いしたい」、多気町の久保行央町長は「先進モデルとして地域創生につながっていく取り組み。課題も出てくると思うが6町が手を携えてやっていきたい」と話した。