幕末の北海道の絵図 松阪・武四郎記念館で展示 三重

【企画展「武四郎と絵図・地図」に出品している「北海道国郡図」=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

【松阪】三重県松阪市小野江町の松浦武四郎記念館は4日、企画展「武四郎と絵図・地図」を始めた。会期は11月24日まで。

「北海道の名付け親」として知られる探検家、松浦武四郎は幕末に蝦夷地(北海道)を6回にわたり調査し、詳細な地図を作成して出版した。幕末の「東西蝦夷山川地理取調図」や、明治2年の「北海道国郡図」など19点を出品している。いずれも同館所蔵品で、2点を除き国指定重要文化財。

北海道国郡図は樺太と千島列島を含み、河川や地形の起伏、地名を詳細に書き込んでいる。26枚から成る東西蝦夷山川地理取調図は函館部分など5点を出品。その凡例で地図を作る目的として「国家経済ノ事 其地理ヲ精窮シ人情ヲ明察セスンハ有ヘカラス」と書いている。

企画展の関連行事として10月13日午前10時から、第189回武四郎講座「武四郎と絵図・地図」を開き、学芸員の佐藤圭祐さんが講師を務める。

佐藤さんは「秋は小学校の社会見学などがあり、子どもに分かりやすい展示を企画した。明治から江戸にかけて絵図から地図へ変わり、過渡期を生きる武四郎の姿がよく分かる」と来場を呼びかけている。

入館料は一般360円、6ー18歳230円。月曜休館。