循環器病の死亡、分析へ 三重は全国比で多い傾向 県議会常任委

三重県議会は4日、政策企画雇用経済観光、医療保健子ども福祉病院、防災県土整備企業の各常任委員会を開いた。医療保健部は、循環器病での死亡に関する詳細な分析を進める考えを示した。循環器病による死者数が全国に比べて多い傾向にあるため。医師への聞き取りや人口動態調査の結果などを踏まえて原因を把握し、今後の対策に反映させるとしている。

原因把握し対策に反映

 <医療保健子ども福祉病院=石田成生委員長(8人)>
県によると、県内で令和4年度に循環器病で死亡した女性は10万人あたり100・9人。全国平均より11・8人多い。男性は300・2人で、全国平均(300人)とほぼ同数となっている。

10年ほど前から同様の傾向にある。循環器病は心筋梗塞や脳卒中など、心臓や脳血管に関する疾患。このうち、県内では心疾患での死亡が増加傾向にあるが、原因は分かってないという。

常任委では、循環器病による死亡の状況を分析するよう求める声が上がっていた。県は令和7年度の循環器病による死者を、4年度比で約2割減の187・7人とする方針を定めている。

常任委では、田中智也委員(新政みえ、4期、四日市市選出)が「救急搬送や医師の偏在なども原因に絡んでいると推測される」と指摘。医療保健部は分析の手法を検討する考えを示した。

万博無料招待、8割の学校「予定ない」

 <政策企画雇用経済観光=石垣智矢委員長(8人)>
雇用経済部は来年の大阪・関西万博で児童生徒らを無料で招待する事業について、約八割の学校が「来場の予定がない」と回答したことを明らかにした。

県によると、小中学校や高校、特別支援学校など624校のうち、8月末時点で515校が万博に「来場する予定はない」と回答した。6月上旬時点の調査から140校増えた。

一方で、万博に「来場する予定」と答えたのは8月末時点で57校。6月上旬時点での調査に比べて2校の増加にとどまった。52校が「検討中」としている。

県は万博を訪れる学校のチケット料金を全額負担する予定。「万博は世界の文化などを学べる絶好の機会。来場を希望する学校に万博に関する情報を積極的に提供する」としている。

水道料金見直し検討、「丁寧な説明を」

 <防災県土整備企業=中瀬信之委員長(7人)>
県内18市町から徴収している水道料金の見直しを検討している企業庁に対し、市町や住民への「丁寧な説明」を求める声が委員から上がった。

企業庁は6月の常任委で、資材費の高騰や水道施設の老朽化対策などを踏まえて水道料金の改定を検討すると報告。「経費節減に努めるが、費用の増加は避けられない」と説明した。

中瀬古初美委員(新政みえ、3期、松阪市)は「料金の見直しは日常生活への影響が大きい」と指摘。「市町や住民への丁寧な説明が大事。唐突感がないように」と求めた。

河北智之庁長は「時間はかかるが、市町に出向いて丁寧に議論し、見直しの方向性を決めたい」と説明。水道の重要性や企業庁の財政状況などを住民に周知する考えも示した。