伊勢新聞

2024年10月5日(土)

▼11月5日の米大統領選まであと1カ月となった。ハリス、トランプのどちらが勝とうと、世界は混迷を深めて行きそうだが、それにしてもなぜ、米国でも日本でも「陰謀論」が盛んなのか? トランプは、極右の陰謀論者でユダヤ人女性のローラ・ルーマーを選挙集会に帯同させて、問題発言を繰り返している。「移民がペットを食べている」も彼女の吹き込みだ

▼ルーマーは同時多発テロを「内部犯行」とし、「ハリスが勝てばホワイトハウスがカレーの匂いになる」「イスラム教徒は野蛮人だ」などのSNS(交流サイト)投稿を連発してきた。前回の大統領選で有名になった「Qアノン」は、ディープステートに世界が支配されているとし、トランプはそれと戦っているとした

▼陰謀論はさまざまだが、この世界が「闇の勢力」であるイルミナティやニューワールドオーダーなどによって支配され、ワクチンは人口削減と人類奴隷化の道具などとしている。世界最高の権力者だったトランプが陰謀論を信じるとは滑稽だが、支持者は後を絶たない。もし、陰謀論が真実なら、私たちは単に生かされているだけ。民主主義や選挙など意味がない。