三重県は3日の県議会全員協議会で、来年度の行政展開方針案を公表した。防災や産業振興、人口減対策などを、注力する取り組みに明記。婚活を支援するマッチングシステムの導入も盛り込んだ。
注力する取り組みには「困難を抱える子どもへの支援」や「防災・暮らしの安全安心」「産業の成長支援」などの7項目を明記。前年度は5項目だったが、内容に大きな変化はない。
具体的な取り組みとして、結婚相手を探せるマッチングシステムを導入する方針を示した。人口減対策の一環で、民間の婚活アプリに不安を感じる県民に利用してもらうことを想定している。
行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みとして、県立図書館で新たに電子書籍を導入することも盛り込んだ。約半数の都道府県が既に導入しているという。
来年度当初予算の編成に向けた「調製方針」も公表。要求額を前年度の90%以内とするよう各部局に求めつつ、前年に続いて子育て支援や防災、観光振興などは要求額の上限を定めていない。
来年度の歳入見込みは8043億円で、前年度当初予算を8億円下回る。歳出でも、職員の給与引き上げによる人件費の増加や高齢化に伴う社会保障関係経費の増加が見込まれるとした。
三谷哲央議員(新政みえ、8期、桑名市・桑名郡選出)は行政展開方針案について「きめ細かに書かれているが、県民に理解してもらうのは難しい。目指すことを端的に示すように」と述べた。
一見勝之知事は注力する取り組みに掲げた7つの項目が「目指すこと」に当たるとの認識を示しつつ「全体的にボリュームがある。どういった形でポイントを示せるのかを考えたい」と述べた。