【津】日本画の津いずみ会で活動し、昨年6月に93歳で亡くなった三重県津市の安保隆さんの遺作展が、津市羽所町のアスト津5階第2ギャラリーで開かれている。岩絵の具で描いた大小の日本画28点と色紙13点を展示している。6日まで。入場無料。
安保さんは電力会社に勤務しながら日本画の故奥山芳泉氏に師事。県展や日春展などで入賞を重ね、松阪市美展の審査員を務めた。
遺作展は息子の雅司さん(64)ら家族の発案で開催。安保さんの絵画仲間が協力し、多くの作品の中から選んだ。
緻密に描写した「けし」や「水仙」、幾重にも色を重ねた「遠望」など花や風景だけでなく、タンクローリーを真後ろから捉えた「車鏡」や水着のマネキンが並ぶウインドーを描いた「夏の窓」など独自の視点で描いた大作もある。
雅司さんは「父は日本画にヨット、バラ作りなど凝り出すと一生懸命だった。それもこれも母が支えていたから」と、会場に夫婦そろった写真を飾った。
共に奥山氏に師事した津市の長谷川紀幸さん(84)は「着眼点が豊かな方で、そばにいて刺激を受けた」としのんだ。