170メートルの大綱引っ張る 熊野・花の窟神社で「お綱掛け神事」 三重

【氏子総代の大江久志さん(右端)を先頭に、大綱を引っ張る参拝者ら=熊野市の七里御浜海岸で】

【熊野】三重県熊野市有馬町の世界遺産、花の窟神社で2日、秋季例大祭が営まれた。県無形文化遺産の「お綱掛け神事」では県内外の約200人が大綱の付け替えに参加し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。

例大祭は日本書紀にも祭礼が記され、1300年以上の歴史を持つとされる。毎年2月2日と10月2日の計2回開き、10月6日には白石を載せた花車を引く「お白州引き」や白石の奉納を営む。

神事は白装束の「上り子」が山頂に上がり、もち米の稲わら7本を結んだ約170メートルの大綱をご神体の巨石に固定。氏子総代の大江久志さんを先頭に、参拝者が七里御浜海岸まで引っ張った。

引き戻しを繰り返して調整し、境内の支柱に綱をくくりつけた後、山川均宮司が祝詞を奏上。有馬小5年生の巫女(みこ)4人が演舞を披露し、来賓の河上敢二市長や市議会議員が玉串を奉納した。

京都府から友人と参加した自営業、中島香緒里さん(57)は「やっと参加できた。綱を大切に持てた」、同府の主婦、辻本さほ子さん(57)は「たくさんパワーをいただけたと思う」と話した。