伊勢新聞

農林水産被害9億8000万円 台風10号で三重県内、うち松阪4割 知事会見

一見勝之知事は30日の定例記者会見で、台風10号による農林水産関連の被害が13市町で約9億8千万円に上ると明らかにした。昨年の台風7号による被害(約6億7千万円)を上回った。

県によると、農業用施設の被害額は約4億8千万円。7市町で農業用水路に土砂が流入するなどした。農作物の被害額は6600万円。10市町で稲が倒れたり、果物や野菜が冠水したりした。

林業では8市町で林道の路肩が崩落するなど、約4億4千万円の被害があった。水産業の被害額は約200万円。急激な海流により、紀北町内の養殖いけすで約2600匹のマダイが死んだ。

被害額のうち、松阪市内が約4億4千万円と、全体の約4割を占める。市内では線状降水帯が発生し、山間部を中心に農業用施設などへの被害が相次いだことが影響したとみられる。

県は5日、台風10号による農林水産関連の被害が、少なくとも15市町で48件に上ることを明らかにしていた。9月中をめどに被害の全容をまとめる方向で調査を進めていた。

県は年内にも、農業用施設などの復旧に向けた補助を国に申請する。国による査定を経て補助の可否が決まる見通し。一見知事は「国の災害復旧事業で賄えるものは賄いたい」と述べた。