【熊野】公益財団法人B&G財団(東京都)は30日、新たに三重県熊野市を防災拠点に選び、同市に防災倉庫の整備や人材育成に3年間で総額5900万円を上限に助成する決定書を授与した。
同財団によると、万一の災害に備え、迅速な災害支援活動が実施できるよう令和3年度から全国各地に防災拠点を整備する事業を始めた。周辺自治体との相互応援の体制づくりを推進する。
拠点は体育館やプールを備えた「B&G海洋センター」が所在する480自治体から、災害リスクや位置関係を踏まえ選定。県内では志摩市に次ぎ2例目で、来春の完成を予定している。
機材配備支援金は5千万円で、約81平方メートルの倉庫を防災公園(同市有馬町)の倉庫に併設する。油圧シャベルとスライドダンプを各2台。救助艇一艇のほか、発電機と蓄電池を備える。
研修支援金は900万円で、市職員や消防団を対象とした重機操作の研修や、地元住民向けの避難所運営訓練を実施。毎年度財団が2回、市が4回の計6回開く。初回は10月5日に開催する。
この日、市役所で授与式があり、同財団の朝日田智昭常務理事が河上敢二市長に決定書を手渡した。河上市長は「市は半島の先端地域で、災害の備えが必須。平時でも活用したい」と感謝。朝日田常務理事は「災害発生時に、拠点を活用した被災地支援の協力をお願いしたい」と話した。
同財団は昨年度までに35都道府県の54市町村に拠点を設置している。本年度は新たに12都道府県の15市町村への設置を決定。令和8年度までに全国で100カ所の設置を目指す。