伊勢新聞

映画「砂の器」や演奏堪能 津で「彼岸花映画祭」1200人 三重

【息の合ったトークをする兼重氏(右)と吉鶴氏=津市栗真町屋町の三重大三翠ホールで】

【津】「第10回彼岸花映画祭in津」(同祭実行委員会主催、伊勢新聞社など後援)が28日、津市栗真町屋町の三重大学三翠ホールであった。生演奏や映画「砂の器」(1974年松竹/橋本プロダクション)の上映があり、約1200人(主催者発表)が来場した。

平成27年、津観音境内に「小津安二郎記念碑」を建立したのを機に有志約30人で実行委員会を設立。その後毎年映画祭を開き地域文化の振興を図っている。

演奏では同大名誉教授でピアニストの兼重直文氏と、同大在学時に兼重氏に師事した新日本フィルハーモニー交響楽団ビオラ奏者の吉鶴洋一氏との師弟共演「映像を彩る名曲の調べ」があり、息の合ったトークを繰り広げながら映画「砂の器」で流れる「宿命」などを披露した。

「砂の器」は松本清張の小説を映画化し県内がロケ地となった作品で今年公開50年。来場者はデジタル修復版の画像を大画面で堪能した。

【ロビーを彩る紀平さんの映画看板=津市栗真町屋町の三重大三翠ホールで】

ロビーには昨年県文化大賞を受賞した津市の看板職人、紀平昌伸さんが手描きした映画看板など13点が並び、多くの来場者がカメラに収めた。

岩間知之・同祭実行委員事務局長は「多くの協力者や協賛企業のおかげで継続できている。今後も優れた日本映画を上映していきたい」と述べた。