【鳥羽】三重県警鳥羽署は26日、管内(鳥羽・志摩市)のコンビニエンスストア(3社、計29店舗)を担当する交番を指定して、警察官と店員らが顔の見える関係を築き、犯罪被害の未然防止や被害認知時の早期通報などにつなげる「コンビニサポートポリス制度」を県内で初めて導入した。
同署によると、県内では特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が増加傾向にあり、ATM(現金自動預払機)からの振り込みや、電子マネーカードを購入させるなどコンビニを利用した手口も多いという。
同署はこれまでも管内のコンビニを巡回し、特殊詐欺被害の未然防止や万引被害の防止対策などに取り組んできたが、今回は管内のセブン―イレブンとファミリーマート、ローソンの計29店舗が協力し、よりいっそう地域の安全安心に貢献するため、コンビニサポートポリスを発足させた。
今後は、担当交番の警察官らが1週間に1回以上、店舗に立ち寄って店員に声をかけ、犯罪の手口や発生状況などの情報を伝えたり困り事の相談に応じたりする。
同署で発足式があり、コンビニ3社の代表者らが出席。今村昭彦署長が、担当交番や電話番号を記したシートなどが入ったバインダーを手渡し、「コンビニの皆さんの声かけなど水際対策が犯罪防止の最後のとりでとなる。皆さん一人一人の勇気ある行動につなげてもらいたい」と話した。
式後、ファミリーマート鳥羽松尾店を担当する鳥羽駅前交番の警察官が同店を訪れ、大西克枝店長(61)に詐欺の手口などを伝えて注意を呼びかけた。大西店長は「交番の警察官が定期的に来てくれると安心感がある。詐欺被害を防ぐお手伝いができれば」と話した。