伊勢新聞

白くて大きなキノコ 津の弁天川沿いに出現 「オニフスベ」

【オニフスベを眺める今西さん(右)ら=津市白山町川口で】

【津】三重県津市白山町川口の弁天川沿いの堤に、白くて大きなキノコが生え、近隣の話題になっている。

白いキノコは小野(おおの)地区の橋近くにあり、直径約20センチ、高さ約15センチ。2週間ほど前に川沿いの雑草を刈った後に姿を現した。

近くに住む今西勝さん(79)徳子さん(75)夫妻が開く地域サロンで「ボールかヘルメットが落ちていると思った」「何だろうと近くに行ったらキノコだった」などもっぱらの話題という。

津市末広町の岩出菌学研究所の農学博士できのこアドバイザーの多田有人所長(50)によると、ハラタケ科ノウタケ属の「オニフスベ」で「木と共生するマツタケなどと違い、どこで出るかわからないキノコ。以前に白山町の田のあぜで出た例があるが近年はあまりなかった」と話す。

突然現れた理由について「川沿いで水蒸気が出て湿気がたまるなどいろいろな条件が重なり、土の中にあったオニフスベの菌が優勢となって生えたのでは」と推察する。

徐々に茶色くなり胞子の塊が破れて散るが、来年同じ場所で生えるとは限らないという。

勝さんは「80年ここにいて初めて見た」、徳子さんは「ご近所の話題になり楽しみができた」と話している。