山岳少数民族の子を作品表現 鈴鹿で94歳の彫刻家、長谷川さん個展 三重

【作品を紹介する長谷川さん=鈴鹿市江島本町の白子公民館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市寺家、元日展会員の彫刻家、長谷川八壽雄さん(94)は25日、同市江島本町の白子公民館で「作品展~タイ山岳少数民族の子どもらに魅かれて」を開いた。彫刻やレリーフ、スケッチ作品など29点を展示している。10月16日まで。

タイ・チェンライ周辺の山岳少数民族の村へ、今年6月に教え子の元日本ユニセフ協会広報普及員で高田短大ボランティア部顧問の杉谷哲也さん(81)の支援活動に同行した。10日間の滞在中に描いたスケッチと、帰国後、それらを基に制作した立体造形やレリーフをスナップ写真とともに展示している。

手を合わせてあいさつをする少女像を、うるしに絵の具を混ぜて仕上げた石こう彫刻や、幼い妹を背負った少女のレリーフ、子どもらをスケッチする様子を撮った写真などが並ぶ。

長谷川さんは三重大1期生として卒業後、鈴鹿市の小中学校で教員、校長を経て、市教育委員長を務めた。28歳から彫刻を始め、平成18年に日展会員となり、昨年、退会した。「30年前から毎年数回タイやラオスを訪問。電気のない生活からすっかり様相が変わったが、子どもたちの純朴な姿に創作意欲をかき立てられ続けています」と語った。