【熊野】猫型ロボットやドローンを使ってプログラミングとAI(人工知能)を学ぶ出前授業が24日、熊野市飛鳥町の市立飛鳥中学校であった。三重大の須曽野仁志教授(教育学)が講師を務め、3年生5人が指示を入力して物体を動かす体験をした。
同大学が平成29年度に提唱した「紀南オープンフィールド構想」の一環で、若者が学んだ先進技術を活用し、将来的な農村社会の課題解決を目指す。熊野と御浜、紀宝の3市町の小中学校でプログラミング教材を使った出前授業を不定期で開いている。
生徒らは教育用アプリケーション「mBlock」を使って、タブレット端末に猫型ロボットを操る音や光、イベントなどを組み合わせた動作命令を並べた。角度や回数を計算した上で、各自が好きな図形を描くようにプログラムし、成果を披露し合った。
授業後半は対話型AI「チャットGPT」や楽曲生成AI「SUNO」が紹介された後、プログラミングでドローンの飛行にも挑戦。離着陸や上昇、降下を細やかに調整し、教室内の障害物を避けながら移動したり、空中で絵を描いたりして制御を学んだ。
山下怜さん(14)は「自分が組んだプログラム通りに動かないのが難しかった。ゲームの開発に興味があるので、プログラミングを楽しめた」と振り返った。
須曽野教授は「実際に体験することで技術の見方も変わる。プログラミングには数学や理科、英語の知識も必要。教育の活性化につながると思う」と話した。