伊勢新聞

2024年9月24日(火)

▼立憲民主党の代表選挙について、岡田克也党幹事長は投票前日の県連常任幹事会後の記者会見で「4人(の立候補者)による議論に深みがあった」。自身の投票先は「幹事長の立場として、代表選が公平公正に行われるのを担保するのが仕事。誰に、ということは一切お答えできない」

▼相変わらず“優等生”的答えで、自民と立民両党のトップが決まることに国民の関心がそこそこ盛り上がっている中での一方の責任者としての言葉とは思えない。少なくとも、翌日の投票結果に興味を持ち、立民のこれからの活動に期待する国民が、岡田幹事長の発言で増えることはあるまい

▼自民党総裁選後に想定される次期衆院選を「政権交代に尽きる」と位置づけ、「2年2カ月、党幹事長を務めた立場として、責任がある」と語った。それなら国民が注目している機会に、それらに寄与する話はできなかったか。肝心の自民党の総裁選に対し「9人も(候補者が)出ると、それぞれが主張するだけ。良いことばかり言っている感じ」。評価していると受け取られかねない

▼候補者乱立の自民総裁選は各候補者がそれぞれ主張を繰り広げ、かみ合わないと指摘されている。その急所をずばり突いて、国民に的確な指針を示すのが野党第一党の責任でもある。「良いことばかり言っている感じ」では評論家でもある。総裁選で盛り返しつつあるといわれる自民人気を引き戻し、正当な評価を思い出させて立民躍進に結びつけることなどできそうにない

▼政治家としての真価を発揮するのは今である。