伊勢新聞

宣長とひもとく「源氏物語」 松阪の記念館、秋の企画展 三重

【本居宣長が作成した「源氏物語年紀考稿」(本居宣長記念館提供)】

【松阪】三重県松阪市殿町の本居宣長記念館はこのほど、秋の企画展「もののあはれを知る~宣長とひもとく『源氏物語』~」を始めた。会期は12月8日まで。入館料は大人400円、大学生300円、小学4年生―高校生200円。

宣長は40年にわたり源氏物語を講釈し、光源氏ら登場人物が感情豊かに活躍する源氏物語の本質を「もののあはれを知る」ことと考え、源氏物語論「紫文要領」を執筆した。

企画展では光源氏の年齢と作中の時間経過を研究した「源氏物語年紀考稿」や、宣長の講釈を参宮途中に聴いた石見国(島根県)の浜田藩主松平康定が贈った駅鈴に添えられた歌など重要文化財48点を含む77種92点を出品。

同館は「宣長は実は源氏物語の愛読者。教訓的な作品として読むことを否定し、物語は物語として味わうという立場から、源氏物語を再発見した」と来館を呼びかけている。

展示説明会は9月21日、10月19日、11月23日のいずれも午前11時から。