福永和伸三重県教育長は19日の定例記者会見で、読書活動を推進するネットワーク「本よもうねっとMIE」を発足させると発表した。県教委が読書の推進に向けた組織を設けるのは初めて。
県教委によると、ネットワークは子どもたちに読書を呼びかける県民や図書館、ボランティア団体、書店、企業などで構成。会員数は今のところ170団体だが、500団体の加入を目指す。
ネットワークでは、作家やボランティアによる読み聞かせ会などを開く予定。ポータルサイトで読書関連のイベントを周知するほか、読まなくなった本の寄付や本棚の設置も呼びかける。
10月27日に県立鈴鹿青少年センター「スズカト」(鈴鹿市住吉町)で発足式を開く。「ざんねんないきもの事典」を監修した動物学者の今泉忠明さんによる記念講演などがある。
県内では、高校の図書館が昨年度中に貸し出した図書が生徒1人あたり2・9冊と、平成28年度(4・5冊)の約6割に減少。スマートフォンなどを使う時間の増加が原因とみられる。
福永教育長は「コロナ禍を背景に、子どもたちが読書をする時間がどんどん減っていった」と指摘。「ネットワークの取り組みを通じ、読書に親しんでもらえる環境をつくりたい」と述べた。
発足式は午後1時半―同4時半で定員200人。今泉さんの書籍を購入した先着50人へのサイン会もある。問い合わせは県教委社会教育・文化財保護課=電話059(224)3322=へ。