「ユウスゲ」復活願い種まき 伊勢・上野小児童ら、三重県の絶滅危惧種

【園芸用ポットにユウスゲの種をまく児童ら=伊勢市の上野小学校で】

【伊勢】三重県伊勢市の上野小学校の児童らが18日、県の絶滅危惧種に指定されている「ユウスゲ」の種をまいた。

ユウスゲは、山野などに生える多年草で、6―8月にユリに似た黄色い花を咲かせる。同校近くの赤井山にも、かつて数多く自生していたが、鹿に食べられるなどして絶えかけたため、住民有志でつくる「赤井山麓ゆうすげ保存会」が復活に取り組んでいる。

同校は、地域の取り組みを学ぼうと、令和2年から保存会の活動に参加。児童らが、保存会メンバーと一緒に、山でユウスゲの苗を植栽したり、苗を育てるための種まきに取り組んでいる。

この日は、1年生と6年生の29人が参加。保存会の上之郷宏也会長(78)らに教わりながら、園芸用のポット420個に土を入れ、黒く小さな種をまき、上からやさしく土をかけた。2週間ほどで発芽し、順調に生育すれば11月下旬ごろ山に植える予定だという。

参加した6年の寺西琉琥さん(12)は「鹿や鳥に食べられず元気に育って、きれいな花を咲かせてほしい」と話していた。