10月5日の総合開会式に先駆け、今月21日から会期前競技後半戦が始まる佐賀国民スポーツ大会(国スポ)。10月1日まで佐賀県を中心に8競技があり、本県からはテニス、体操(新体操)、セーリング、ソフトテニス、ライフル射撃、剣道、クレー射撃の7競技に77人の選手・監督が出場する。
このうちセーリング競技(9月28―10月1日・佐賀県唐津市)成年男子で1人乗りのILCA(イルカ)7級にエントリーしている黒田浩渡=ナブテスコ=は津市拠点に同クラスの日本セーリング連盟強化選手として国内外で活動する21歳。津工業高校3年時、1人乗りのレーザー級で全日本選手権3位につけた実力者で、昨年の鹿児島国体3位を上回る成績が期待される。
身長180センチ超のバランスの取れた体格に、どんな風域でも安定した成績を残せる万能型の選手。日本セーリング連盟の育成プログラム「ホープ育成プログラム」でも研鑽を積み、本田技研工業鈴鹿の実業団選手時代、2人乗りの男子470級で五輪を目指した三部泰誠ナショナルコーチからも指導を受けている。
今年4月末まで行われたパリ五輪選考レースも日本代表の1人として参戦。五輪出場枠は獲得できなかったが、日本人2位の21位で終えた最終選考レース「ラストチャンスレガッタ」(4月・フランス)では、レース途中で世界の先頭に立つ瞬間もあった。「世界で走れているという自信は持てた」一方で「瞬時の判断力、適応力はまだ荒削り」。「もっと経験を積みたい」と話し、佐賀で4年後のロサンゼルス五輪を見据えた1歩を踏み出す。