木目や彫り跡いかした漆器 伊勢で野嶋さん作品展 三重

【木目やノミ目を生かした木漆工芸の作品展を開いた野嶋さん=伊勢市倭町の浄明寺で】

【伊勢】三重県伊勢市植山町の木漆工芸作家野嶋峰男さん(76)の作品展「木目とノミ目」が、同市倭町の浄明寺で開かれている。木目やノミの彫り跡をいかした漆器の作品が来場者を楽しませている。16日まで。

ケヤキを使った大小さまざまな皿や鉢といった生活雑器を中心に約80点を展示し、販売もしている。炭粉と漆を使い古代の手法を取り入れて制作した朱塗り皿、「拭き漆」の技法で木目の美しさを表現した器、ノミの彫り跡をデザインに生かした椅子などもある。

野嶋さんは50年以上、環境に優しい木の食器や家具を作り続けている。東海伝統工芸展などの公募展でも受賞を重ねてきた。「頭の中でイメージを膨らませ、木の声に耳を傾けて生まれた作品ばかり。一つ一つ違う木目やノミ目を楽しんでほしい」と話していた。