丸山千枚田で650人が稲刈り 熊野の棚田、オーナーら 三重

【鎌で稲を刈り、束にまとめる参加者ら=熊野市紀和町の丸山千枚田で】

【熊野】三重県熊野市紀和町の棚田「丸山千枚田」で14日、全国のオーナーらが稲を収穫する「稲刈りの集い」(市ふるさと振興公社主催)があった。約650人が黄金色に染まった稲を手際よく刈り取っていった。

千枚田は農林水産省の「日本の棚田100選」に数えられ、1340枚の棚田が広がる。棚田の維持や保全を目的に、平成8年からオーナー制度を導入。264枚が割り当てられた。

本年度は県内外の174組921人が登録している。参加者らは今年5月、所有する水田に手作業で、県の育成品種「なついろ」の苗を植えた。毎年9月に収穫の時期を迎える。

この日は、オーナー234人のほか、市都市交流事業として相模女子大学の学生16人なども参加。鎌で田の稲を全て刈り、束にしてさおに天日干しするまでの工程に取り組んだ。

棚田を管理する「丸山千枚田保存会」会員によると、今夏は例年と比べ雨量が少なく、一割ほどの稲が枯れてしまったという。形や粒ぞろいは良く、10月末までに約1万2千キロを収穫する予定。

今年からオーナーになった両親と訪れた、名古屋市の中学1年生、若井琵和さん(12)は「一束を作るのも大変。実際に作業することで、米農家の努力が分かった。貴重な体験ができてうれしい」と話していた。

収穫された米は、保存会員らが脱穀や乾燥をした後、オーナーらに発送する。市内の道の駅で販売もする予定。