【度会郡】三重県度会町棚橋の度会小学校でこのほど、住友電気工業(大阪市)の出前授業があり、4年生59人が地球温暖化対策などについて知識を深めた。
同町はごみの減量化や再資源化に取り組んでいて、昨年度に続き、本年度も海洋ごみの回収や発生抑制に取り組む環境省の「ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業」の実施自治体に選ばれた。
7月には、環境保護やCO2(二酸化炭素)の削減に力を入れる同社と、「度会町プラスチックごみ削減・CO2リサイクル事業連携協定」を締結し、「回収したCO2でまちをつくるカーボンリサイクル」を目指した新たな取り組みを始めた。
今回は同推進事業の一環として、昨年度にごみの分別やリサイクルについて学び、資源ごみ分別マイスターに認定された4年生を対象に同授業を実施した。
同社でCO2のリサイクル技術やリサイクル素材を研究・開発する馬場将人さん(40)が講師を務め、温室効果ガスは主にCO2で地球温暖化に大きな影響を与えることや、自分たちにできるカーボンニュートラルの暮らしについて解説した。
馬場さんは、同社の新技術で金属とCO2から生成される未来素材「メタコル」を使った今後の取り組みを説明。児童らの教室にCO2を吸収する装置を置いて集めたCO2を原料にしたメタコルと、児童らが夏休みに回収したペットボトルキャップ約1万2千個を使って学用品を作り、10月か11月に行われる同授業で児童らに贈る予定。
4年の石井遥琉さん(9つ)は「地球温暖化のことを知ることができてよかった」、馬場さんは「自分たちのアクションが未来や環境、社会につながっていることに気づき、前向きに捉えて積極的にアクションを起こしていくきっかけになれば」と話した。