マグロ尾の身ステーキ新発売 尾鷲「長久丸」創業100周年記念、未活用部位を商品化 三重

【尾の身グリルステーキの試食会を開いた長久丸の大門利江子さん=8月24日、尾鷲市中井町の旧中京銀行駐車場で】

【尾鷲】三重県尾鷲市三木浦町の水産会社「長久丸」は6日、今年の創業100周年を記念した新商品「尾の身グリルステーキ」を発売した。税込み千円。同社の女将(おかみ)、大門利江子さんは「試作を重ねた自信作」と話している。

同社によると、尾の身は筋肉質で筋張った特徴が生食に適さない。船員の食事になるか、廃棄される「未活用部位」という。加熱用として付加価値を生もうと、大門さんが発案し、昨秋から社員らと開発を進めていた。

先月24日、同市中井町の旧中京銀行駐車場で試食会を開き、商品化の可否を判断。試食した市民からは「しっとりした食感でおいしい」「ビールに合いそう」などと好評で、用意した20枚が1時間でなくなった。

新商品は自社の遠洋マグロ漁船で水揚げした天然本マグロの尾の身を使い、ニンニクと黒コショウ、みえ尾鷲海洋深層水由来の塩で味付けした。事前に湯煎で下処理しており、解凍して数分間焼くだけで出来上がる。

同市朝日町の「長久丸冷蔵」と公式通販サイトで販売している。キャンプ場や道の駅でも順次販売する予定。大門さんは「一般には流通しない希少部位を手軽に食べられる。多くの人に堪能してほしい」と話している。