伊勢新聞

「チュウ・チュウ・ミカン」人気 御浜町・すぎもと農園、果汁で氷菓 三重

【ミカン氷菓を販売する杉本さん=御浜町神木のすぎもと農園直売所で】

【南牟婁郡】温州ミカンにいよかん―。「年中みかんのとれるまち」で知られる三重県御浜町。長年ミカン農家を営む「すぎもと農園」(同町神木)が開発した氷菓「CHUCHUMIKAN(チュウ・チュウ・ミカン)」が人気を集めている。百貨店のイベントに出品し、口コミで売り上げが急上昇。今では全国各地で親しまれる味となっている。

氷菓は農園を営む杉本賢さんが発案し、社員らとともに開発。冬に旬を迎えるミカンを、夏でも手軽に味わってもらおうと、果汁を凍らせてパウチ容器に入れた。同様の形で販売するミカンの氷菓は全国でも珍しいという。1パックに12個のミカンを使用。令和3年6月ごろにセミノール1種から販売を始めた。

約3ヘクタールの農園では、温州ミカンを中心に年間60トンほど生産している。日本の50倍厳しいといわれる台湾の残留農薬基準を満たすなど、栽培方法にもこだわる。「生産から販売まで一貫して手がけたい」との思いで、農園に加工場を併設。社員ら3人が1日あたり180リットルを搾り、熱殺菌した後に凍らせている。

評判を上げたきっかけは、毎年出品している高島屋でのフェア。今年に入って業界のバイヤーから注目を集め、関西圏を拠点に活動するインフルエンサーの口コミなどで一気に広まった。現在はセミノールのほか、清見オレンジ▽ポンカン▽ネーブル▽いよかん▽ミカン―の6種を展開。ミカンが一番人気という。

杉本さんは「1年目は300個ほど売ったが、今年はすでに2500個以上も販売している」とうれしい悲鳴。道の駅「飯高駅」(松阪市飯高町)では「登山客の必需品」として人気を集めているほか、県内外からお中元用に注文が殺到。「目新しさと、果汁100%の本物志向が多くの人に刺さったのでは」と話した。

氷菓は1パック486円(税込み)。6種セットも販売している。農園の直売所やオンラインショップ、道の駅「飯高駅」などで購入できる。問い合わせは農園=電話05979(3)1330=へ。