南海トラフ地震備え図上訓練 三重県 知事の県外出張も想定

【南海トラフ地震の発生を想定した図上訓練に臨む職員ら=県庁で】

三重県は6日、南海トラフ地震の発生を想定した図上訓練を実施した。被害情報の収集や災害派遣要請の手順などを確認。地震発生時に知事は県外に出張していることも想定に盛り込んだ。

県によると、県南東沖を震源とするマグニチュード(M)8・7の地震が発生し、県内で最大震度7を観測したと想定。県の図上訓練で南海トラフ地震の発生を想定するのは2年ぶりとなる。

県や16市町、関係機関などから約490人が参加。県庁の「オペレーションルーム」では、市町などから寄せられた被害の集計や孤立地域の把握、救援物資の受け入れなどに当たった。

一見勝之知事は地震発生時に都内出張中で、国の職員を運ぶ自衛隊のヘリに同乗するなどして県内に戻ると想定。地震発生当初はオンラインで会議に出席し、県幹部らに指示を出していた。

一見知事は訓練後の講評で、県幹部らに報告する情報の順序について指摘。「最優先すべき人命救助とは関係のない情報を先に報告したりしていた。良く見直しをしてほしい」と述べた。

「私が来て最初に訓練をしたときに比べると大きく前進した」との評価も。その例として、自らの就任後に新設した「オペレーションルーム」や「シチュエーションルーム」の活用を挙げた。

知事が県外出張中と想定したことには「現実性を帯びたシナリオ」としつつ「自衛隊のヘリで帰ることは難しい。そういったことはまれ」などと述べ、緊急時の対応を確認するよう求めた。