部活動の練習で部員に体罰をしたとして、三重県教委は6日、県立菰野高の硬式野球部監督だった男性教諭(62)を減給10分の1(1月)の懲戒処分とした。交通事故を起こして相手方にけがをさせたとして、鈴鹿市立明生小の女性教頭(51)を減給10分の1(2月)の懲戒処分とした。
県教委によると、菰野高の教諭は昨年9月、練習試合でミスをした部員に昼食を取らせず、約2時間走らせた。同年11月にもミスをした部員に至近距離でノックをし、肘付近にけがをさせた。
今年3月には、練習中にスマートフォンを触った部員の胸ぐらをつかんだ。複数の部員に「へたくそ」「ばか野郎」「殴ってくださいと言え」などと、不適切な発言もしていたという。
今年6月、関係者から訴えを受けた学校が部員へのアンケートなどで確認。教諭は同月から監督を外れ、野球部の指導に携っていない。同校野球部は今年の全国高校野球選手権大会に出場した。
教諭は平成16年10月にも、部員への体罰で文書訓告を受けた。県教委の聞き取りに「指導の範囲だと思っていた」などと説明。「自らを見つめ直し、改めて指導方法を勉強する」と話した。
明生小の教頭は今年1月19日午前6時40分ごろ、津市内の自宅駐車場から車を運転中に後退した際、道路を歩いていた女子高校生をはね、膝に加療約3カ月のけがをさせた。
自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)で津簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。県教委の聞き取りに「ミラーでは後方を確認したが、目視では確認していなかった」と話したという。
また、県教委は野球部の練習中に体罰をしたとして、県立高校の40代教諭を文書訓告とした。昨年5月から今年4月にかけ、練習中にミスをするなどした部員ら3人の頭をたたいた。
福永和伸教育長は定例記者会見で「公教育の信頼を損ね、おわびする」と陳謝。「体罰に対する教員の感度が社会に追いついていない。部活動の指導者を対象に研修を実施する」と述べた。