農林水産被害、15市町で48件 台風10号で三重状況 月内にも全容まとめ

【定例記者会見で、台風10号による農林水産関連の被害について説明する一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は5日の定例記者会見で、台風10号による農林水産関連の被害が少なくとも県内15市町で48件に上ることを明らかにした。県は月内にも被害の全容をまとめる方針。

県によると、48件のうち、農業用施設の被害は7件で、被害額は約2千万円に上る。松阪、亀山、多気、大台の4市町にある農業用ため池や用水路などで、のり面が崩落した。

農業用施設とは別に、農作物では12市町で27件の被害が確認されている。風雨によって稲が倒れたり、大豆の畑やイチジクの木などが冠水したりする被害があったという。

水産業では約200万円分の被害を確認。急激な海流により、紀北町内の養殖いけすで約2600匹のマダイが死んだ。林業では林道の路肩が崩落するなど、5市町で11件の被害があった。

いずれも4日夕までに市町などを通じて県に報告があった被害を集計した。これらの他にも被害に関する情報が寄せられているといい、被害の件数や金額は今後も増える見通し。

一見知事は農業用施設の被害について「国の制度も含め、どんな対応があるのかを考えている」と説明。農産物の被害は「制度的には難しいが、支援が必要かどうかを精査したい」と語った。