【尾鷲】学生目線で街の魅力を再発見してもらおうと、三重県の尾鷲市や尾鷲商工会議所でつくる「市地域活性化協議会」は2―4日の3日間、京都府内の大学に通う学生4人に尾鷲市内の企業3社を訪問して取材し記事にまとめてもらうPR事業を実施。学生らは社員に質問したり、写真を撮ったりして街の良さを探し集めた。
市によると、昨年6月に始めた「みずが合うまち。尾鷲。」をテーマにした取り組みの一環。多雨や漁業、海洋深層水など、豊かな水環境を生かした街の魅力や諸課題を見つける。事業は同協議会が京都市のNPO法人「グローカル人材開発センター」に委託した。
学生らは4日、甘夏栽培で今年7月に市内初の有機JAS認証を取得した同市南浦の平山農園を訪れ、代表取締役の平山厚さん(74)から説明を受けた。平山さんは約30年前から無農薬有機栽培に取り組んでいるという。
取材では約6ヘクタールに及ぶ段々畑を見て回り、収穫の時季や方法、こだわりなどを質問。「昔は麻袋を担いで何往復もしたが、今は運搬車で大量に運べる」などと語る平山さんの話に、メモを取りながら耳を傾けていた。
龍谷大大学院政策学研究科1年の鎌田康暉さん(23)は「尾鷲のイメージが変わった3日間だった。漁業以外の農林にも魅力が詰まっていると分かった」と話した。
学生らは同農園のほか、2日に尾鷲物産(同市林町)と長久丸冷蔵(同市朝日町)を取材した。同協議会に提出した記事は、10月までに市のホームページ内「地元企業紹介」で公開される予定。