【度会郡】三重県の南伊勢町はこのほど、町の産業活性化対策の一環として、京都大学と近畿大学の共同研究成果をベースとして生まれたスタートアップ企業「リージョナルフィッシュ」(京都市)と、「水産物の種苗開発に関する連携協定」を締結した。同社が県内の自治体と同様の協定を結ぶのは初めて。
同社は、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」の技術を使った最先端の品種改良の研究・開発などに取り組んでいて、これまで肉付きのいいマダイや成長の早いトラフグなどを開発している。
協定によると、町種苗センターの施設を活用し、アワビや二枚貝の品種改良に取り組むほか、生産物の流通支援や生産地・生産物の認知度向上などでも連携、協力する。
南伊勢町役場南勢庁舎で締結式があり、上村久仁町長と梅川忠典社長が協定書を交わした。
上村町長は「リージョナルフィッシュの皆さんの力を借りて南伊勢町の水産業を発展させたい」、梅川社長は「南伊勢町にふさわしい水産物を品種改良の力でつくり出して、新たな名産品として地域創生に貢献したい」と話した。