ハラソ祭の飾りや衣装展示 尾鷲で企画展

【船尾飾りを紹介する野村さん=尾鷲市向井の県立熊野古道センターで】

【尾鷲】三重県尾鷲市向井の県立熊野古道センターで企画展「わが郷土のお祭り 梶賀町・ハラソ祭」が開かれている。祭りで使った船尾飾りや衣装など約20点を、写真やパネルとともに展示している。10月14日まで。

東紀州地域に根付いた多くの伝統行事を知ってもらおうと、同センターが紹介する祭りを変えて年に1回開く企画で、今回で10回目。ハラソ祭、捕鯨行事、梶賀町、日本の伝統捕鯨の4テーマに分けて展示している。

ハラソ祭は、市南端にある町の沖で100年以上続く伝統行事で、毎年1月の第2月曜に実施。町は江戸時代、銛や網を用いた古式捕鯨の漁場で栄えた。捕鯨業の衰退後、海軍が武芸として残した形を祭りで再現している。

展示では船尾に掲げた幾重にも連なる旗や、祭りでこぎ手を務める水主の衣装、捕鯨で使われた銛などを並べた。捕鯨船の模型や船磁石なども展示。町に伝わる保存食「あぶり」や町の方言などをパネルでまとめた。

同センターの野村真知子さん(51)は「実際の祭りでは船尾飾りを近くで見ることができない。1人でも多くの人にハラソ祭を知ってもらい、市民に1年でも長く愛される祭りになってくれれば」と話している。

入場料は無料。入場は午前9時から午後5時まで。無休。同センターでは会期中、特別企画「くまのみちを歩く~熊野灘沿いの峠道を歩く~」も開いている。