祭典で供える稲刈り取り 神宮神田で抜穂祭

【稲から穂だけを1本ずつ抜き取る作丁ら=伊勢市楠部町の神宮神田で】

【伊勢】伊勢神宮の祭典で供える稲を刈り取る「抜穂祭(ぬいぼさい)」が3日、三重県伊勢市楠部町の神宮神田であった。

久邇朝尊(くにあさたか)大宮司をはじめ、神宮や地元の関係者約80人が参列した。

神田の祭場で、神職が豊かな実りに感謝する祝詞を上げた後、烏帽子を着けた白装束の作丁(さくてい)らが田に入り、「忌鎌(いみがま)」と呼ばれる鎌で黄金色に実った稲を刈り取った。続いて、刈り取った稲から穂だけを1本ずつ丁寧に抜き取り、麻ひもで束ねて2束の「抜穂」にした。

神田の広さは約3ヘクタール。うるち米など十数種類を栽培している。台風などの影響を受けることなく、順調に生育したという。今後、順次稲刈りが進められ、10月の神嘗祭(かんなめさい)をはじめとする祭典で神前に供えられる。
【稲から穂だけを1本ずつ抜き取る作丁ら=伊勢市楠部町の神宮神田で】