▼津駅ビル地下1階、エスカレーター脇に「特別警戒中」のプレートが張られたのはいつだったか。「盗撮に注意」とある。「後ろからスマートフォンやカメラに狙われていませんか」「不審な動きをする人はいませんか」
▼周囲を見回した。不審人物は見当たらなかったが、女子高校生が多く、断続的にエスカレーターを登っていく。君子危うきに近寄らず。十分距離を置いて、エスカレーターの階段に足を乗せた
▼1億カメラ小僧時代。カメラ機能を持つ携帯電話やスマホの普及で、盗撮被害は著しく増えた。深刻なのがスポーツ界で、女性アスリートはカメラが怖くて存分なパフォーマンスができず、競技団体はいかに防ぐかで頭を悩ましている
▼県では、駅構内や列車内での痴漢や盗撮被害が多いらしい。迷惑防止条例違反の疑いで昨年、18件摘発され、高校生や学生を中心に被害相談が後を絶たないため、県警は高校生の協力でポスターを作成した
▼応募作品24点から選ばれた私立伊勢学園高3年の石原聖愛さんの作品は、スマホに「痴漢です 助けてください」と表示して周囲に助けを求める女性を描いた。スマホを活用して周囲の人の力を借りるアイデアだ
▼エスカレーター被害は想定しているかどうか。楽しげに話ながら登っていく2人連れを見ていると、後ろへの警戒心など持っていないように見える
▼現場を押さえるのは難しいかもしれない。ポスターなどを掲示し、多くの人の意識を高め卑劣な犯罪行為(大橋秀樹鉄道警察隊長)を封じ込めなければならない。