駅構内や列車内での痴漢や盗撮被害を防止しようと、三重県警は県内の高校生の協力でポスターを作成した。2日から県内全ての鉄道駅に掲示を始め、利用者らに注意を呼びかける。
県警鉄道警察隊によると、県警は昨年、列車内などで痴漢や盗撮をしたとして、迷惑防止条例違反の疑いで18件を摘発。高校生や学生を中心に、被害に関する相談は後を絶たない。
ポスターによる啓発は昨年からの取り組みで、県内の高校生から作品を募集。応募があった24作品の中から私立伊勢学園高3年の石原聖愛さんの作品が選ばれた。
石原さんはスマートフォンに「痴漢です 助けてください」と表示して周囲に助けを求める女性を描いた。県警が3月から運用を開始した痴漢防止用のサイトを参考にしたという。
石原さんは「痴漢や盗撮の被害に遭ったら、スマホを活用するなどして助けを求め、周囲の人は『大丈夫ですか』と声をかけて」とポスターに込めた思いを語った。
大橋秀樹鉄道警察隊長は「痴漢や盗撮は被害者の尊厳を侵害する卑劣な犯罪行為。多くの人にポスターを見てもらうことで皆さんの意識を高め、被害者を一人でも減らしたい」と話した。