三重県は1日午後4時、台風10号の災害対策本部会議を県庁で開いた。県幹部らは、のり面崩落などの被害を共有。一見勝之知事は土砂災害や河川の氾濫に引き続き警戒するよう指示した。
会議では、農林水産部が紀北町内で住宅の裏山が幅4メートル、高さ5メートルにわたって崩落したことや、大台町内の農業用ため池の一部が崩落したことを報告。いずれも付近の住民に被害はなかった。
防災対策部はピーク時に19人の職員を8市町に派遣したことなど、県の対応を報告。県教委は県立桑名北高の土砂崩れについて、週明けにも復旧工事に着手する方向で検討すると説明した。
一見知事は「台風は熱帯低気圧に変わったが、雨の状況は変わらない」と述べ、引き続き情報収集に当たるよう指示。「道路が陥没している可能性もある」とし、通学路などの確認も求めた。
この後の記者会見では「土が多くの水分を含んでいるため、晴れていても土砂崩れや崖崩れが起こる」と指摘。増水した川を見に行くなど、危険な場所には近づかないよう改めて呼びかけた。
これに先立ち、県は同日午前10時半に災害対策統括会議を開催。県幹部らは護岸が崩壊した堀坂川(松阪市)の被害状況や応急対策について、現地の担当者からオンラインで説明を受けた。