桑名北高でのり面崩落 台風10号影響、三重県内激しい雨

【崩落した桑名北高の斜面(県教委提供)】

台風10号の影響で暖かく湿った空気が流れ込み、三重県内は30日も雨が断続的に降った。降り続く雨の影響で、各地で浸水やのり面崩落などの被害が発生。気象台は来月2日にかけて断続的に非常に激しい雨が降る恐れがあるとして、大雨への注意を呼びかけている。

県災害対策本部によると、29日から30日午後3時までに、四日市市と津市で男性2人が軽傷を負った。また、津市で住宅の床上浸水1件、床下浸水4件の発生が確認されている。

津地方気象台によると、四日市市では30日午前9時40分までの1時間に48・5ミリ、大台町宮川では同7時10分までに43・5ミリを記録するなど激しい雨となるところがあった。

雨が降り始めた25日から30日午後3時までの降水量は大台町宮川で577・5ミリ、尾鷲市で524・0ミリ、津市で474・5ミリとなり、平年の8月1カ月分の降水量を上回っている。

近鉄は30日、五十鈴川駅―賢島駅間で終日運休。31日も同区間で終日運転を見合わせると発表した。JR東海は30日に運休した特急「南紀」と名松線について、31日も終日運転を見合わせる。

県立桑名北高(桑名市下深谷部)では29日午後4時ごろ、敷地内の道路脇にあるのり面が崩落しているのを教員が発見。土砂が正門につながる道路をふさいだ。

同校によると、当時は夏休み中で生徒はいなかった。階段を使って登校できるが、車や自転車は立ち入れないという。同校は安全に配慮し、来月2日の予定だった始業を同月4日に遅らせる。

台風10号は30日午後6時時点で、瀬戸内海を時速約15キロで東北東に進んでいる。中心気圧は994ヘクトパスカルで、来月1日ごろに熱帯低気圧に変わるとみられるが、県内は同月2日ごろにかけて大雨となる恐れがある。

31日に予想される1時間あたりの降水量は、いずれも多いところで北中部で50ミリ、南部で60ミリ。同日午後6時までの24時間では、北中部で200ミリ、南部で300ミリ。

線状降水帯が発生した場合は局地的にさらに降水量が増えるとして、気象台は引き続き、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、高波や強風などに注意を呼びかけている。