台風10号、東紀州の農漁業者ら警戒 漁船避難やテントに重り 三重

【台風10号に備えて避難する漁船=尾鷲市天満浦の天満港で】

週末にかけ、非常に強い勢力で紀伊半島に接近すると予想される台風10号に備え、東紀州の農家や漁師は対応に追われている。一帯は昨年の台風7号で甚大な被害を受けており、生産者らは警戒を強めている。

船の避難港として使う尾鷲市天満浦の天満港では、周辺市町の沖を漁場とする多くの漁船が寄港した。漁師らは船に積まれた荷物の回収や、船の係留状態を点検。大きな漁船は陸揚げした後、ロープで係留した。

2隻の小型船を所有する尾鷲市の遊漁者、仲宗高さん(62)は、船の荷物を一時的に撤去。「昨夏の台風では船体に20カ所程度の傷や穴ができ、修理代が15万円以上かかった。被害は最小限で抑えたい」と話した。

御浜町神木の「すぎもと農園」では、テントに重りを置くなどして強風に備えた。「極早生(わせ)みかん」の収穫を9月下旬に控えるが、同農園の杉本賢取締役社長は「昨年も対策したが、事務所の屋根が飛び、成木200本がやられた。事前にできることは限られる」と嘆いた。