伊勢新聞

矢田首相補佐官が来県 井村屋と百五管理サービスを視察

【百五管理サービスの社員(手前)と会話する矢田補佐官=津市高茶屋7丁目で】

矢田稚子首相補佐官(賃金・雇用担当)が26日、津市高茶屋7丁目の井村屋グループ本社と百五管理サービス本社を訪れた。女性や障害者らが働く現場を視察したほか、女性活躍や障害者雇用を巡って担当者らと意見交換した。

三重労働局によると、矢田補佐官の県内視察は初めて。矢田補佐官が座長を務める女性活躍関連のプロジェクトチームに井村屋グループの中島伸子会長が招かれたことをきっかけに実現した。

井村屋グループ本社を訪れた矢田補佐官は、参加者を女性に限定したキャリアアップ研修の実施や企業内託児所の開設など、女性の活躍を促す同社の取り組みについて説明を受けた。

この後、矢田補佐官は敷地内にある工場を視察し、あずきバーや肉まんなどの製造工程を見学。女性が工場長を務めていることなどについて、中島会長らから説明を受けた。

百五管理サービスの社員は約半数の28人が障害者で、うち20人が知的障害者。企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)を多く配置し、障害がある社員の能力や意欲を高めている。

矢田補佐官は銀行で使用した伝票や帳票を電子化したり、シュレッダーで裁断したりする現場も視察。「けがをしないように頑張ってください」などと、一人一人に声をかけて回っていた。

視察後の取材に応じた矢田補佐官は、井村屋の取り組みを「女性が活躍できる多様な工夫がなされていた」とし、百五管理サービスは「皆が自信と誇りを持って働いていた」と評価した。

一方、県内では女性の非正規雇用率が全国と比べても高い水準にあると指摘。「家事は女、働くのは男という感覚が残っている」と述べ、両社の担当者らに改善への協力を求めていた。

矢田補佐官はパナソニックグループ労組連合会の副中央執行委員長や電機連合の政治アドバイザーなどを経て、昨年9月から現職。平成28年7月から令和4年7月まで参院議員も務めた。