伊勢新聞

2024年8月26日(月)

▼白内障の手術を受けたのは10年以上前だ。1週間ほど入院して“完治”。水晶体を人工レンズに交換して、水晶体の濁りが引き起こす白内障とは縁が切れた、と思った

▼執刀していただいたのは先に第12回赤ひげ大賞を受賞した東海眼科の中井義秀理事長。「手術をしておしまいではないよ。一生つきあう気持ちでないなら手術はしないよ」と言われて「はい」と即答したが、実際はすっかり足が遠のいて、そして昨夏、周囲の景色がぼやけだした

▼白内障の時と似て非なりなのは、急に裸眼で新聞が読めたりする。拡大鏡を使うと読みやすくなるが、時間ととともに見にくくなる、今夏、そんなまだら状態も少なくなり、敷居の高い東海眼科は避けて別の眼科を受診したら、人工レンズと肉体との間にゴミのようなものがたまり、写真で見ると雲のようになっていた

▼レーザーで“吹き飛ばす”と視界はみちがえるほど鮮明になった。「拭き取ってもらって見えるようになった」と白内障手術仲間が言っていたのを思い出す。割と多い症状なのか。人工物に変えたことで、水晶体では起こりえないことが起こるのかもしれない

▼今年の猛暑は記録破りだった。白内障リスクは紫外線だけでなく、高温多湿も大きな原因という。水晶体が37度以上になるとリスクは跳ね上がると、本紙「すこやかゼミ」で佐々木洋金沢医大教授。帽子やサングラスなどの防護策は子どものころから必要という。異常気象の中での健康対策。今夏、急速にぼやけが進んだのにも影響しているのだろうか。