硬式野球の東海地区大学野球連盟三重県リーグ・秋季リーグ戦が9月5日、津球場で開幕する。県内5つの大学・高専が5週にわたって対戦。このうち三重大では、高田高校(津市)硬式野球部時代、最速150キロ右腕として注目された医学部1年、中山勝暁投手がデビュー戦に向けて調整中だ。全日本大学選手権に出場した1991年以来の全国切符を目指す同大で「勝てる投手になって、チームに貢献したい」と意気込んでいる。
「医者」と「プロ」の2つの夢を追い高校3年間でプロ注目右腕に成長した。高校最後の夏の県大会は、初戦で前年度優勝の三重に完投負けを喫したが、球場に全12球団のスカウトが集まった。プロ志望届けを出すも「支配下」にこだわったこともあり、指名漏れした後は受験勉強に専念。初志貫徹で医学部合格を勝ち取った。
大学入学当初は硬式野球を続けるか迷っていたが、「1年目はまだ時間がある」「野球部の雰囲気が良かった」ことから「できる間はやりたい」と4月末には硬式野球部入部を決めていた。6月以降各種大会で実戦登板。7月の東海地区国立大学体育大会は2試合に登板し、優勝を決めた静岡大戦は、力のある直球で最終回を無失点で締めくくり、胴上げ投手になった。
「スポーツドクターか整形外科医になる」という将来の夢はぶらさず「野球を続けるのは3年秋くらい」までと考えている。ただ、やるからには全力投球。高校時代は球速へのこだわりが強かったが、今後は球質にもこだわっていく。
「先発してチームを勝たせられなかった」高校時代の悔いが根底にある。高校3年間を「実力不足だった」と真摯(しんし)に受け止め、「先発を任されたのならば試合を壊さず、試合をつくれる投球ができるよう、またゼロからやりたい」と話している。