伊勢新聞

2024年8月24日(土)

▼米大統領選挙まで3カ月弱。支持率でハリス候補がトランプ候補を逆転し、このまま行けば初のカラードの女性大統領が誕生しそうだ。ついこの前までは「ほぼトラ」と言われていたのに、なぜこうなったのか

▼いろいろと指摘されているが、背景にあるのは「分断」、それも人種・民族的な分断だ。トランプ氏がハリス氏登場に「インド人なのか? 黒人なのか?」と問い、「最近になって黒人になった」と揶揄(やゆ)したこと。さらにハリス氏が副大統領候補に、わざわざ白人男性のミネソタ州知事ウォルズ氏を選んだことが、このことを象徴している

▼米国の最新の国勢調査によると、白人(ヒスパニック系を除く)対非白人の人口比は57・8%対42・2%。DX(ダイバーシティー指数、100%に近いほど人種・民族は多様化)は61・1%。このまま行くと、2040年頃までには白人の割合が5割を切るという

▼『白人がマイノリティになる日』という本では、白人の伝統文化を身につけた混血人種が新たなマジョリティーとなる未来が提唱されている。が、そんな都合のいいことが起こるだろうか? 米国は以前と違う国になりつつある。