伊勢新聞

陸上の伊藤選手、パリパラ健闘誓う 鈴鹿市長訪問、白子中生から寄せ書きも 三重

【生徒らが書いた寄せ書きを贈られて喜ぶ伊藤選手(左)=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】28日に開幕する「パリ2024パラリンピック競技大会」で陸上競技に出場する三重県鈴鹿市平野町の伊藤智也選手(61)=バイエル薬品所属=が22日、同市役所で末松則子市長に健闘を誓った。

伊藤選手は34歳の時に多発性硬化症を発症し、車いす生活になった。パラリンピックへの出場は5度目で、北京大会では2種目金メダル、ロンドン大会では3種目銀メダルの実績を持つ。

左腕の感覚障害が重症化したことから、6月のスイスグランプリでクラス分けにより基準タイムを突破し、今回の出場が決まった。

今大会では100メートルと400メートルの2種目に出場する。

来庁した伊藤選手は、3年前から競技用車いすの開発企業が中心となるプロジェクトに参加しており、「(東京大会より)400メートルで1秒、100メートルで0・7秒タイムが縮まった」と話し、「プロジェクトの一員としてより高い精度で競技パフォーマンスを表現したい」と意気込みを語った。

末松市長は「目標が達成できることを願って、しっかりと応援する」と激励した。

この日は、伊藤選手が昨年講演した市立白子中学校の代表生徒2人も来庁。生徒らは、3年生約300人が日本の国旗に書いた激励の寄せ書きを伊藤選手に手渡した。

寄せ書きを受け取った伊藤選手は「自分自身に悔いが残らないよう、多くの人の幸せに寄与できるよう精いっぱい頑張る」と笑顔を見せた。