地域の児童に勉強教える 熊野、帰省中の大学生ら 三重

【児童らに算数を教える鈴木さん(左から2人目)=熊野市木本町の熊野市民会館で】

【熊野】地域の児童らに学習意欲を高めてもらおうと、三重県熊野市木本町の熊野市民会館で、同市出身の大学生が市内の小学4―6年生に勉強を教える「地域未来塾」が開講している。

学校間交流や学力向上を目的に、平成28年に市教育委員会が始めた取り組みで、8月と12月の長期休みに年2回開く。帰省中の大学生らが講師を務め、国語と算数を教える。

開講3日目となった22日は、三重大や皇學館大の学生8人が、児童34人に算数を指導した。児童らは学年別に分かれ、割り算や小数、グラフの読み取り方などを学んだ。

大学生は事前に決めた担当ごとに、ホワイトボードを使って解き方を説明。児童から「意味が分からない」「ヒントを教えて」と声が上がると、例を挙げて解説する姿も見られた。

割り算の筆算に取り組んだ井戸小4年の宇城香麦(こむぎ)さん(10)は「難しい問題をみんなで教え合いながら解けた。算数は苦手だが、少し好きになれた」と笑顔で話した。

4年生の講師を務めた名古屋市立大1年の鈴木悠太さん(18)は「理解力の差を埋めるのが難しかった。子どもたちには楽しく学ぶ大切さを知ってほしい」と話した。

市教委によると、過去に参加した大学生の過半数が県内外で教職員に就いているという。市学校教育課の担当者は「教職課程の学生らが実際に指導できる貴重な機会。児童が目指す理想像にもなってほしい」と語った。