環状壺形土器や人面土板 明和町の出土品展示 三重

【企画展に出品された金剛坂遺跡の環状壺つぼ形土器=明和町馬之上の小林農産ふるさと会館で】

【多気郡】三重県の明和町斎宮跡・文化観光課はこのほど、同町馬之上の小林農産ふるさと会館2階で企画展「先人が残した小さな足跡―明和町の旧石器・縄文時代―」を始めた。入館無料。会期は25日まで。

町内の遺跡から見つかった、土器がまだ存在しない旧石器時代の石器や縄文土器を出品。町内最古の遺物とされる3万年―2万5千年前の曽祢崎遺跡出土石器や、縄文時代の西出遺跡の人面土板が並ぶ。町有形文化財に指定されている金剛坂遺跡の環状壺(つぼ)形土器はドーナツ形の器体に口を取り付け、全国でも類例がない。

石器はチャートなど限られた種類の石から作り、「材料として使われる石は近くで拾った石などではありません。はるか遠い産地で取られる石材を調達していました」と解説している。

森下純課長は「石器や土器の欠片など小さな一点一点の重要性と、そこから何を知ることができるのかを伝えたい」と来場を呼びかけている。