3市町にクマアラート注意報 熊野・御浜町・紀宝町、出没多発で 三重

ツキノワグマの出没件数が基準値を超えたことを受け、三重県は16日、熊野農林事務所管内(熊野市、御浜町、紀宝町)に「クマアラート」(注意報)を発表した。発表の期間は10月15日までの2カ月。住民や登山客らに注意を呼びかけている。

県によると、熊野市内では8月14、15の両日で計2件の出没を確認した。県は月単位の出没件数が基準に定める過去5年間の平均を2倍した値(1件)を超えたことを受けて注意報を発表した。

注意報の発表を受け、熊野市は防災行政無線を通じて住民に注意を呼びかけた。注意喚起の看板を登山道などに掲げる方針。県はクマのえさとなる生ごみなどは適切に処分し、山中では鈴やラジオを携帯するよう呼びかけている。

大紀町大内山のツヅラト峠では14日午後4時ごろ、登山中だった大阪府の70代女性がクマに襲われて大けがをした。これを受けて県は15日から、初のクマアラート(警報)を同町と紀北町に発表している。

今年4月1日から今月15日までに県内で確認されたクマの出没は、69件。記録が残る平成18年度以降で最多だった昨年度中の40件を既に超えている。