▼今年の「お盆休み」はいつもと大きく違っている。全国各地、どこへ行っても人出が少ない。コロナ禍前の例年なら、行楽ラッシュ、帰省ラッシュで、駅、空港、高速道路は大混雑だったが、今年はそれがない。海外旅行者数にいたっては前年割れどころか、コロナ禍前の半数。円安による旅行費用の高騰が大きく影響した
▼国内旅行も前年より2割も減った。こちらは、物価高、猛暑に加え、南海トラフ地震の注意報、相次ぐ台風の到来も影響した。海外からのインバウンド客も減った。たとえば京都。すでに京都の夏の暑さは海外にも知れ渡り、富裕層向けのラグジュアリーホテルは空きが目立った。TDLやUSJなどのテーマパークは、連日の「熱中症注意報」で、親子連れの足が遠のいた。動物園では、暑さで動物たちが生気を失ってぐったりしていた
▼各種アンケート調査によると、年々、夏の帰省は減っている。「1年に1回なら年末年始」という人が増えている。「猛暑でお墓参りにも行けない」という声も。インフレと猛暑は日本人の生活を大きく変えつつある。このままだと日本人はますます内向的になる。