6年ぶり伝統のかんこ踊り 亀山の加太市場地区 三重

【6年ぶりに披露した「加太市場かんこ踊り」=亀山市加太市場の神福寺で】

【亀山】三重県の亀山市加太市場自治会(倉田文男会長)は15日夜、加太市場の神福寺境内で、約350年継承されている「市場かんこ踊り」を披露した。自治会員や帰省した人ら約100人が、勇壮な踊りを楽しんだ。コロナ禍や雨による中止で、6年ぶりとなった。

同踊りは江戸時代、滋賀県近江地方から雨ごいの踊りとして伝わり、大正時代に入り、盆の夜に初盆供養の踊りとして現在に継承されている。加太地区の市場、向井、板屋、中在家、北在家の5集落のかんこ踊りは、「加太地区かんこ踊り」として、県無形民俗文化財に指定されている。

この夜、同寺境内では、市場地区に住む小学3、4年生計4人と、中学生5人、高校生1人と大人2人の計12人が、浴衣姿で頭に花を飾った「きりこ」をかぶり、胸に太鼓を抱えて、横笛と唄に合わせて「入端」と「石山」を披露した。

また、住民らは、「マツケンサンバ」と「ダンシングヒーロー」の2曲の手踊りを楽しんだ。

初めてかんこを踊った小学3年生の北嶋瞳さん(9つ)は「8月1日から13日まで毎日練習したおかげで、うまく踊れて楽しかった」と汗を拭っていた。

若い頃かんこを踊っていた70代の男性は「お盆と言えばかんこ踊り。久しぶりに踊りの光景が見れてよかった」、倉田会長(70)は「この地区に住む人は皆、かんこを踊っている。小学生や中学生が伝統を引き継いでくれていることに感謝している」と見守っていた。