伊勢新聞

宿泊施設の影響など把握へ 南海トラフ地震臨時情報で三重県、全市町アンケート

【臨時の記者会見で県内への観光を呼びかける一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は16日の臨時記者会見で、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表による宿泊施設への影響などを把握するため、県内の全市町を対象にアンケートを実施する考えを示した。

県によると、アンケートは観光部が来週中にも実施する予定。宿泊施設や観光施設への影響などについて尋ねる。防災対策部は、臨時情報の発表に伴う県や市町の災害対応を検証する。

一見知事は会見で、臨時情報の発表によって県内の宿泊施設に予約のキャンセルが出たことを明らかにした。国に補償を要望する考えについては「まずは損害の実態を把握したい」と語った。

臨時情報に伴う「特別な呼びかけ」が終了したことには「幸い県内で地震は起きなかったが、地震が来なくなったわけではない」と指摘。備蓄品の確認など、日ごろの備えを呼びかけた。

会見では「宿泊施設は備蓄品や避難経路を確認している。旅行者には安心して来てもらえる」と強調。「まだ夏休みは残っている。ぜひ県内の観光地に来てもらいたい」と呼びかけた。

県は臨時情報の発表を受けて8日午後5時に設置した災害対策本部について、呼びかけの終了を受けて15日午後6時に廃止した。職員らは24時間体制で情報収集などに当たった。