【桑名】特殊詐欺の被害をなくそうと三重県桑名市の大成地区自治会連合会(大橋則久会長)が、独自の活動に取り組んでいる。13日は、地区内にあるスーパー「一号舘桑名駅西店」で啓発活動を実施。買い物客にうちわと食品保存袋を配り、年金支給日(15日)を前にして特殊詐欺に注意するよう呼びかけた。
自治会関係者をはじめ、桑名署員と桑名地域生活安全協会員、近くの桑名高校生徒自治会の役員五人も参加した。
高校生らは、啓発活動に初参加。店の入り口付近で「特殊詐欺に気をつけてください」と声をかけながら、買い物客に注意を促すうちわと食品保存袋を手渡していた。
四年前、大成地区内では特殊詐欺の被害が目立ち、自治会連合会が対策に乗り出した。「特殊詐欺被害注意警戒を! キャッシュカードのだましとり 息子を名乗るオレオレ詐欺」と書かれたのぼり旗を作った。毎年お盆の時季と年末に、スーパーやコンビニエンスストア、公園など地区内八カ所に一カ月間のぼり旗を設置して、注意を促している。スーパーで直接住民らに呼びかける啓発活動にも積極的だ。この日、買い物客に配ったうちわも作成した。うちわと食品保存袋それぞれ200人分ずつ用意した。
地道な努力のかいあって、この2年の間、同地区内での特殊詐欺の被害件数はゼロ。被害防止に向けた自治会主体のこうした取り組みは、市内でも珍しいという。
大橋会長(78)は「活動が抑止力となって、被害を一件でも防げれば」と話した。